１９3０年代ＪＪＳウオーカー・バンプトン
１２‘６”＃７〜８ メール

ハーデイのあるイングランド北部の町アーニックにはかって幾つかのグレードの高い釣具のメーカーや販売会社がありました。その中でも、１９２１〜１９６８年までアーニックのメーカーとして活躍したウオーカー･バンプトンは特に多くのハーデイ製と極めて似た（グレードも仕様も）ロッドやリールを販売していた事で知られています。

第二次世界大戦以前営業していたハーデイと同じ町でフライ用品の仕事をしていた所謂アーニック・フィシング・トレーダーの一つです。同じアーニック・フィシング・トレーダーではデイングリーのリール、ステファンソンやＪＡウオーカーのロッド等は知られていますが、パーツ類・雰囲気・丁寧な作りなどはハーデイとの類似性を強く感じさせます。

年代等はロック・ファースト・フェルールやクリヤー・メノウ・ガイド、ロッド６角面の張り合わせの形状などから推測しています。但し１９５０〜６０年代の可能性も十分考えられます。

ロッド重量約４８０グラム、ラバー・エンド下端部を含んだグリップの全長は約６２センチ、最も太い部分の外径は約２６ｍｍ。バットのグリップ上端のブランクの対面外径は約１３．８ミリ、トップ・ガイド下は約３．０ｍｍ。

適合ラインは＃７〜８がメインで＃９にも対応できるアクションです。ロッドを振ると外見よりかなりしなやかに曲がるデリケートでトルクの高そうな印象です。ダブル・ハンド・バンブー・ロッドが初めての方が振っても手に馴染むアクションだと感じると思われます。長さも最も人気の高い１２’〜１３’の中間の１２’６”です、かなり貴重な長さとアクションのアンテイーク・バンブー・モデルです。

使用頻度や状態はアンテイーク・ロッドとしては通常の状態ですがテイップのショートなどが見られずオリジナルの状態を良く保ったかなり良質なロッドと言えます。ハーデイと極めて類似の良好な状態のクリヤー・メノウ・ガイドが付いた２テイップが揃っているのでこれからも安心して長くご愛用いただけるでしょう。

３ピース、貴重な２テイップ・モデル、メーカーのオリジナル布ケースが付いています。オリジナルのフェルール・キャップが１個付いています。。当店お問い合わせ番号ＳＡ９８２ 。グレードは￥４１，８００（税別￥３８，０００）

オリジナルの状態を保ったロッドですが、今後の使用を考慮して全てのフェルールとガイドのラッピング部の防水上塗りを行いました。かなりのインター・ミデイエット部分も防水上塗りを行ってあります。

バット・メス・フェルールと1本のテイップのオス・フェルールの接着部にガタツキが見られたので取り外して再度の接着・ラッピング・塗装を行いました。軽微な曲がり直しを行いました。

ラバー・バット・エンド下端から長さ約６０ｃｍ（ほぼ腕の長さ）のコルク・グリップに目立つような欠落やひび等は見られません。かなり良好な状態のコルク・グリップです。シートのリテイナーはラバー・エンド下端から約１８ｃｍの位置についています。コルク・グリップの最大外径は約２５ｍｍです。

フェルールはハーデイと類似のロック・ファースト・タイプ、デラックスな仕様のスパイク付きタイプが付いています。フェルールの差し込み状態は良好です。

スライドするシート・上部のネジ部とリテイナーの間には最大１０ｃｍのスペースが作れるので、長いブラス製フットを持つアンテイーク・リールが取り付けられると思われます。シートの形状もハーデイにかなり似ています。

テイップのインター・ミデイエットの巻き幅がかなり細かくデラックスな印象を与えてくれます。ブランクに目立つような大きな傷などがみられません。全てのガイドのラッピング部の最後の部分もハーデイと同じく手間の掛かるダブルに巻かれています。大変珍しい事ですが、全てのラッピング部はオリジナルが保たれているようです（当店でレストアーを行ったバット・メス・フェルール以外）。

ハーデイに類似したクリヤー・メノウ・のップ・ガイドの状態はかなり良好です。ロッド各部の長さに整合性がとれている事からショートなどの見らない良好なロッドと思われます。ミドル部が若干長い例は英国のロッドでしばしば見られます、特にデラックスな仕様のピン付きタイプではそれが多く見られます。凡そピンの部分だけ長くなっているようです。フェルールの差し込み状態はかなり良好でがたつきも無くスムースに差し込む事ができます。