1872年イングランド北部の町アーニックでハーデイは創業しています。それから約50年後の1930年代、ハーデイと同アーニックの町には幾つかの釣り具メーカーや販売会社があり、それらはアーニック・フィシング・トレダーと呼ばれています。その中でもロッドを主に製造していたウオーカー・バンプトンとJAウオーカーは、アクションの完成度とアンテイークらしい丁寧な作りと実用性から現在でも高い人気があります。
それらの多くのロッドがハーデイ・ロッドとアクション、仕様が極めて類似していて、知識のある方なら該当するであろうハーデイ・ロッドを類推できると言われています。当店でもその類似性がどこから来るのか調べているのですが、正式な記録が無い為特定が出来ずにおります。今回、当店のイギリスの取引先より情報があり、ウオーカー・パンプトンとJAウオーカーはハーデイの従業員だった職人が多く働いていた工場で、そのアクションと外観のデザインが必然的に類似性が強いものになったと言われていると伝えてきました。もしかしたらリール・メーカーのデングリーと同じく、ハーデイの従業員が中心となって創業した可能性が高いのではないかと推測しています。
フェルールやガイドはハーデイと同じパーツ・メーカーのものを使用していたので仕様が極めて似たものになったと推測されているとの事です。但しハーデイ用のパーツは目に見えない素材・仕様等が微妙に違っていた可能性が推定されます。
アクションについてはハーデイの工場の従業員でしたから、当時最も完成度の高いロッド・デザインで作っていたハーデイのものを取り入れたのだと思います(それに習熟していたこともあるでしょう)。そしてハーデイが直接製品、パーツ、ブランク等を供給した可能性は低いと思われるとの事です。
同じアーニックのリール・メーカーとして今でも人気の高いデングリーはやはりハーデイの従業員であったのは知られています。そして初期の段階では下請けとして製品の供給を行っていたと言われています。
以上は現時点で英国での調査の依頼で判明した事です。ただしこれらの情報は記録で確認されたものではなく、伝聞に基づいているのでその信頼性については当店でも確信が持てません。ウオーカー・パンプトンとJAウオーカーには根強い愛好者の方がいらっしゃいますので選択の参考になればとお知らせ申し上げます。そのような前提をご理解の上ご高覧頂ければ幸いです。更に新しい情報が判明次第お知らせ申し上げます。