1930年代ウイリアム・ロバートソン・”スタッドリー”
10‘6”#5〜#6メール

ロッド・ケースのロゴに記載されている事から知る事となった1885年創業のウイリアム・ロバートソンの3ピース、ショート・ロッド。年代については仕様等からの当店の推測です。

当店でかってロバートソンのロッドをかって販売したことがありますがその折に一見した外観からハーデイの雰囲気を感じた印象が今回も同じでした。ロック・ファースト・フェルール、繊細なラッピング、メノウ・ガイド(カラーはアンバーですが)、シートの類似性等は今回も同じ印象を持ちました。

完成度の高いこのロッドもたとえハーデイのOEMや関与ではないとしても、そのパーツの類似性からアーニック・トレダーによる作りではないかと推測しています。これらのことが、アーニック・トレダーが存在した1930年代製との推定の元になっています。この年代は特に優れたバンブー・ロッドが多く生産された時代としても知られています。年代等は間違っている場合もありますことをご高配ください。通常の使用頻度ですがロッドの基本的な状態は良好です。ラッピングの塗装面のひび割れ、スレッドの切断等は見られません。

ロッドは10’6”として多分販売時は売られたと思いますが実際は約10’7”あります。ラインは#5〜6をメインに#5〜#7程度まで対応できるでしょう。本流や中小止水域でのロング・キャストをお楽しみ頂けるモデルです。ロッド重量約280グラム。シガー・タイプ・グリップの全長は約24cm、シート部の長さは約8.5cm、このままでもラバー・エンドを抑えてライト・スペイ・ロッドとしてもご使用になれます。ブラス・ワインデイング・チェック先端のブランクの対面外径は約11mm、トップ・ガイド下の対面外径は約2.5mmです。

更にロング・ロッドとしてはかなりオリジナル性を保った良好な状態からメーカー又は英国のプロの手によるレストアーも推測しています。ハーデイ愛好家の方には普段使いのロッドとしてお勧めのモデルです。

アクションはハーデイのデラックスに似た馴染みやすいロッドに感じます。ロング・バンブー・ロッドに慣れた方ならシングル・ハンドでの使用にそれ程の違和感を感じないと思われますが、当店オリジナル・エクステンションを取り付ける事でセミ・ダブルとしての使用も可能です。

オリジナル布ケース付き、3ピース、1テイップ・モデル。古い時代のハーデイに似た凝った作りのフェルール・キャップが2個揃っています。この事から一人のオーナーが丁寧に愛用してきた事が類推できます、この良好な状態が納得できます。当店お問合せ番号SA957。状態は良好です¥39,600(税別¥36,000))

実施したレストアースレッドの断裂等は見られませんでしたが、今後の使用を考慮してインター・ミデイエット部分を除いた全てのラッピング部の防水上塗りを行いました 。軽微な曲がり直しを行ってあります。

このロッドにはハーデイ・パテントのロック・ファースト・フェルールが使用されています。それも上級モデルのピン付きタイプが使用されています。フェルールの経年磨耗による気付かない程度の微小ながたつきがバットのメスに有るようですが使用上支障はありません。グリップの状態はかなり良好です、気付かない程度の微少な欠落がグリップ下端部のシートを埋め込んだ周辺に見られますが、使用に支障はありません。

アップロック・シートの長さは約8.5cmあります。リールを固定すると一握り程のスペースが出来るのでラバー・エンドを握るとこのままでライト・スペイ・キャステイングを楽しめます。この場合、23.5cmとやや長めに作られたグリップが効果を発揮します。シングルとダブルに使用できる便利なロッドです。当店オリジナル・エクステンション取り付けるとより本格的なセミ・ダブルとしての使用も可能です。

リール・シートにはロゴが刻まれていますがブランクには見られません。スレッドの巻きもハーデイの作業に似て繊細で美しい仕上がりに見えます。

インター・ミデイエットの巻が如何にも繊細で美しい仕上がりです。アンバー・カラーのメノウ・ストリッピング・ガイドのフレームもハーデイに似た太いフレームのタイプが使われています。目立つようなスレッドの断裂、塗料の剥離、ブランクの傷などが見られない綺麗な状態のロッドです。

ロッドの各セクションの長さのバランスから見てショートした様子は見られません。トップ・ガイドもストリッピング・ガイドと揃いのアンバー・カラーのメノウ・ガイドが使われています。オリジナルの凝った作りのフェルール・キャップが揃っています。


05/08/2022
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