この古い時代のハーデイ・ロッドには綺麗なリング・シート金具に刻まれたハーデイのロゴ以外ロッド名や年代を特定する番号等が見当たりません。仕様・パーツ類・１９００年代初期と推定される年代等から特注モデルの可能性も考えられます。１９００年代初期から１９３０年代のロッドと推定しています。

アクションは当時のハーデイの中で最もデリケートなモデルの一つである”フェアリー”に似ている印象です。現代のラインでは＃４をメインに＃３〜＃５程度まで対応できます。尚、フェアリーのジョイントはサクソン・タイプでシートもスクリュー・タイプなのでこのモデルとは仕様が異なります。これ等を変更した特注モデルとして作られた可能性も考えられます。

ロッド重量は約２１０グラム、ロング・ロッドを使い慣れた方にはシングルでの長時間の使用も可能な軽さのモデルです。古い時代のロッドに使用されている一体式柾目コルクのグリップのラバー・エンド下端までの全長は約３１ｃｍ。ラバー・エンドとシート下部のリテイナーとの間には約約３．５ｃｍ程のスペースがあるのでセミ・ダブルでの使用も存分に楽しめます。グリップ上端部のロッドの対面外径は約９．４ｍｍ、トップ・ガイド下の対面外径は約２ｍｍです。

かなり破れたハーデイ・オリジナル・ケースにアンテーク・ロッド好きの方の好まれる古い時代のロゴの特徴である”ロッド・イン・ハンド”のマークが取り付けられています。このマークの刺繍イラストが余り目にしたことのない図案でサイズも約３ｃｍ四方と小さい特徴が見られ、かなり古い時代のロッドと推測する根拠の一つになっています。

このロッドは経年による金属類の錆が若干見られますが使用頻度が少なくほぼオリジナル状態を保っている様に推定できます。スレッドの断裂や巻き直し等は見られません。英国のオーナーがバットとミドルのロッドの表面塗装を行ったと推定されますが、かなり良好なハーデイの興味深いアンテイーク・ロッドです。

綺麗な状態のテイップが２本付いている事も古い時代のアンテイークとしてはかなり貴重なロッドです。付属するハーデイのオリジナルの布ケースはかなり破れが見られます。良好な状態の２テイップが揃っているので今後も長くご愛用いただけるでしょう。フェルール・キャップも２個ついています。使用頻度はそれ程多くないように推定され、オリジナルの状態をかなり良く保った古い時代の良質なアンテイーク・ロッドです。

当店お問い合わせ番号 SA１０４７。￥４２,９00（税別￥３９，０００）

パーツの交換等が見られないオリジナルの状態を良く保ったアンテイーク・ロッドです。検査の折にテイップ・セクションのガイドが１個弱っているのが見つかったのでアンテイークの類似品と交換いたしました（多分レストアーの痕跡は分からないと思われます）。

外観の検証からは英国のオーナーによる実際の釣り場での使用頻度はそれ程多く無いと推定されます。保管状態のせいか金属部に錆が見られますが当店で軽い錆落としを行いました。ガイドとフェルール・ラッピング部の防水上塗りを行いロッドの軽微な剥離部には塗装を行いました。一つのメノウ・トップ・ガイドの先端部のラッピングが少しほつれていたので１ｃｍ程の間の巻き直しを行いました。軽微な曲がり直しも行ってあります。

手に心地良い古い時代の柾目コルク製の長さ約２８ｃｍの一体式コルク・グリップには目立つ程の欠落や穴などは見られない良好な状態です。尚、グリップの最大外径は約２３�oです。フェルールは確り固定できるハーデイのロック・ファースト・タイプが取り付けられています。英国に於いてオーナーが防水上塗りを行ったと思われるバットとミドルには若干の塗装面の皺などが見られますが使用には支障はありません。

古い時代のロッドとしては大変珍し事ですがスレッドの断裂や巻き直し等が見られません。使用頻度の少ない事が推定できます。六角のロッドの接着面の合わせ目が少し丸みを帯びている事からも年代の古いロッドの特徴がみられます。当店の推測では当時のロッドに使用されていたカルカッタ・ケーン製のロッドと推測しています。ストリッピング・ガイドはハーデイのクリヤー・メノウが取り付けられています。

インターミデエットの巻きの間隔が少ない事もこのロッドがデラックスな仕様で作られたことを推測させます。

フェルールはハーデイのロック・ファースト・タイプが取り付けられています。各部の差し込みはスムースに抜き差しが出来て確りと固定されます。

トップ・ガイドはストリッピング・ガイドと同じハーデイのクリヤー・メノウ。ガイドが取り付けられています。メノウの状態はかなり綺麗な事からも使用頻度が少ない事を推測されます。ウッド製フェルール・キャップが２個揃っています。ミドル用キャップ下端部が僅かに欠落していますが使用に支障はありません。