ロッド・ブランド名と思われる”コロンゼー”はスコットランドの島の名前であることからスコットランドのメーカーと推測しましたが詳細は不明です。

グラス・ロッドの初期のモデルは、バンブー・ロッドからグラスへの切り替え時期と重なり多くのグラス・ロッドがバンブー職人の手作業でバンブーのグレードを保って作られていたものが多く含まれているアンテイーク・コレクターの間でも人気の高い時代でもあります。

このコロンゼー・ロッドの年代はフェルール仕様やシート類等からの推定です。独特のホワイトのソリッド・グラスをスピゴット・フェルールに使用したグラス・ロッドは米国のケネデイー・フィシャーのモデルが知られています。現在でもアンテイーク愛好家の方でこのケネデイー・フィシャーのホワイト・ソリッド・スピゴット・フェルール付きのグラス・ブランクは人気が有りますが近年殆ど目にすることがありません。１９６０年代のハーデイの初期のグラスはケネデイー・フィシャーの職人が製造していたこともあり白いフェルールが使用されていました。

このスピゴット・フェルールのデザインはキャステイング時や魚とのファイトの折にロッドのスムースな曲がりを生み出すと言われています。述べ竿に近い一体感が生み出すシャープのアクションに好まれます。

これらの由来から、コレクターに人気の高い初期のバンブー職人の手作り感を感じるモデルでホワイト・ソリッド・グラス・フェルールのこのモデルはお勧めのグラス・ロッドです。ハーデイの初期のブランク（ファイバー・チューブ製）で作られた可能性も考えられます（確かではありませんが）。

このコロンゼー・グラス・ロッドはシングルでも問題なく振れる本流や湖も遠投モデルですが、当店のイングリッシュ・エクステンションをお持ちのお客様はそのままでセミ・ダブルとしてもご使用になれる便利なモデルです。画像は当店のイングリッシュ・オリジナル・エクステンションを取り付けてあります。

ロッド重量約１６０グラム。ブランクのグリップ上端部フック・キーパー近辺の外径約１２．５ｍｍ、トップ・ガイド下の外径約２.４ｍｍ。グリップの全長は約１７．５ｃｍ、コルクの最大外径は約２７ｍｍです。尚、メタル・アップ・ロック・シートのラバー・エンドを含めた全長は約１１ｃｍ。

グラス素材の軽さを活かして滑らかで柔らかなアクションのロッドを生み出しています。これは多くの日本のフライ・フィッシャマンの方が好まれるアクションでもあります。グラス・ロッドのデリケートなアクションはバンブー・ロッド愛好者の方のお好みに合うと言われており、バンブーのスペアーや雨の日の予備にお勧めのもモデルです。

ラインは＃７で＃６〜＃８程度まで対応できますので、本流や湖での大型魚を対象とするのに適しています。ロッドは英国のロッドとしてはシャープなアクションなので何方でも使いこなせるモデルです。バンブー・ロッドに慣れた方なら目方は全く気にならないと思われます。かなり使い込まれていますがアンテイーク・グラス・ロッドとしては通常の状態です。

・中流域・小型止水域でのドライからウエットまでを楽しめる万能モデルです。２ピース、１テイップ、メーカー・オリジナル布ケース付き。当店お問い合わせ番号SA９４９。グレードは \１４，３００（税別\１３，０００）

機能的な瑕疵はありませんがかなりアンテイークのグラス・ロッドの一般的な状態として使用頻度は高いと思われます。英国に於いて綺麗な仕上がりの吹き付けによるブランクの全塗装がなされています。

スレッドの断裂等は見られませんでしたが、今後の使用を考慮してフック・キーパーとテイップのスネークの２か所を取り外して巻き直しを行いました（それ程分からないと思います）。全てのラッピング部の防水上塗りを行いました。

良質なコルク素材が潤沢にあった時代のコルク・グリップです。握りやすい手頃な太さと長さで、コルクの状態もかなり綺麗で大きな欠落や穴などは見られません。

ブランクに目立つような塗装面の剥離は見られません。かなり良好な状態と言えます。ストリッピングは当時のバンブー・ロッドの雰囲気を残すメノウ・ガイドがセットされています。

ホワイト・ソリッド・グラス製スピゴット・フェルールの差し込み状態は良好です。ガタツキやゆるみは見られません。このスピゴット・フェルールの仕様がケネデイー・フィシャーからハーデイに伝わり、初期のハーデイのグラス・ロッドに使用されたものと似ています。当店の記憶が正しければハーデイ以外でこのホワイト・ソリッドのグラス・スピゴット・フェルールが使用された事は無いと思います。