1970年代末マロック&レナード・
グラファイト・サーモン  13’4”#8−9
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マーロックは1853年創業の古いスコットランドのメーカーです、デラックスな仕様と優れたアクションを併せ持つ良質なフライ・ロッドが特徴です。

ロゴ・マークから、当店の知る当時の状況等からスコットランドにあったマーロック(マロッホ)とレナードの共同制作のグラファイト・ダブル・ハンドと推測しています(間違っている場合もある事に留意ください)。加えてオークションでの説明でも、推測と同じくマロックとレナードの共同開発した戻ると述べられています。

更にレナードの英国との関係では、レナードと関連のあったダイヤモンドバックのロッドが英国で”スー・バージェス”の名前で販売されていた事があります。年代は当店の1976年代のレナードのカタログにはグラファイトがのっていませんので1970年代末から1980年代中頃のモデルではないかと推測しています。(マロックが1875〜1981の間の操業であった事もその推測の元になっています)

初期のグラスやグラファイトの時代はアメリカのメーカーがノウ・ハウで大きく先行していた事から多くの英国のロッド・メーカー(ハーデイもケネデイー・フィシャーと共同でロッドを作った)はアメリカのメーカーと提携していました。このロッドもそのような状況から生み出されたと推測できます。

アクションは英国製ダブル・ハンド・ロッドとしてはかなり柔らかくレナードの印象が強く感じられます。指定ラインは#8〜9と書かれていますが、安全のために#7〜8程度を最初はお使いになると宜しいでしょう。

ロッドはかなり使用されていますが、機能的な問題は見られません。 ガイドは英国製の左巻きスネークが使われている事からこのロッドはスー・バージェスの例と同じく、多分レナード製のグラファイト・ブランクを英国で組み立てたと推定されます。 100%レナードのブランクと断定は出来ませんが、当店の推測としてはかなりその可能性が高いと思っています。

グリップの長さは約38cm、アルミ製シート部が約8cm(レアー・グリップに埋め込まれたリテイナー部を含めずに)、下端部のグリップは約8cmです。バット・エンドを含めたグリップ部の全長は約61cmです。使用に支障が出るような欠落などは見られません。

ロッドは使用頻度がかなり高めですがロッドの基本的な状態に支障は見られません。ラッピングの塗装面のひび割れ、スレッドの切断等趨勢がなされているので問題は見られません。

アクションは非常にデリケートでどなたでも馴染めるデザインになっています。3ピース・グラファイト・ロッドの重量は約270グラム、長さも目方も苦にならないシャープな印象のロッドです。バットのグリップ上端部の外径約12mm、テイップ・外径約3mmです。布ケースはオリジナルでありません、かなり綺麗なコーデル&リバッツの布ケースに入れられていました。

かなり使用された状態ですので、レナードの関連すると思われるロッドとしてはかなりおお買い得な価格に設定されています。アンテイーク・ロッドのご使用に経験のおありのお客様にお勧めのモデルです。 当店お問い合わせ番号SA946。グレードは \34,100(税別\31,000)

ロッドの基本的な状態問題がありませんが、かなり使用頻度が高い事やアンテイーク・ロッドの由来等にご興味のあ有りの方がご愛用になると推測しましたのでラッピング部の防水上塗りを行ってあります。

リアー・グリップの上端、シートとの境に最大幅14mmx最大高さ5mmの半月型のコルクの欠落が見られました。使用には全く支障がありませんが当店でコルク片を取り付けて欠落部を塞いであります。

手書きのロゴがロッドの詳細な由来の説明をしています。パース〜ロンドン〜USAの意味はレナードのブランクをロンドンのマーテイン・アシュビー(コルク・グリップの上端部に書き込まれています)で組み立てられ、その完成したロッドが、英国・パースのマロックで売られたと言う事を表しているように思われます(もしかするとレナードでも売られたかもしれません)。

手書きのロゴの右側にはマロックのロゴが一部残されています、このロッドもマロックで販売されたものでしょう。

この独特のフック・キーパーも当店の記憶が定かではありませんが、アメリカのロッドで見たような記憶があります(確かではありません)。

かなりアメリカ製ロッドの雰囲気を持ったロッドです。例えそうでなくてもカスタム・メイドの雰囲気が強く感じられます。

下段の画像のミルドラム製カーボロイ・ストリッピング・ガイドが使用されている事もアメリカのレナードの連携をうかがわせます。

ブランクには塗装面の目立つような剥離や傷、大きな曲りなど殆ど見られません。ただ、かなり使用されているようなので全てのラッピング部の防水上塗りを行っています。又、テイップ・セクションの上から3番目のスネークが少し歪んでいたので、今後のご使用を考えてほぼ類似の英国製左巻きアンテイーク・スネークと付け替えてあります(画像下段のスネークです)。

尚、英国のオーナーが他の2か所のスネークの片側と片側の一部のラッピングを巻き直しの修理を行っています。

フェルールの差し込み具合にはガタツキもなくかなり良好です。尚、バット・フェルール先端部の穴を塞いでいたと思われる接着剤に少し穴が見えたのでエポキシで塞いであります。

02/05/2021

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