このロッドの由来に付いては当店の仕様・外観・当時の状況等からの推測です。当店ではこのロッドはハーデイ関連のブランク製造会社であったファイバーチューブ社のブランクを個人またはプロのビルダーが組み立てたものではないかと推測しています。これも当店の推測ではありますが、ハーデイの当時のグラス・ファイバーライト・パーフェクション・シリーズに９’３”の＃１０と言うモデルがありますが、同じではなくても何らかの関連性があるのではと思っています。現在のラインの適合サイズは＃８〜１０でしょう。

初期のハーデイのグラス・ロッドとグラファイト・ロッドは米国ケネデイー・フィッシャー社の技術で作られていました。ケネデイー・フィッシャー社のデザインとして知られているこのホワイト・スピゴットもその影響を受けたものと推測しています。ちなみにこの白いスピゴットのロッドは、ケネデイー・フィッシャー製もハーデイ製でも人気の高いアンテイーク・グラス・ロッドの仕様です。尚、当時ファイバーチューブ社では６‘６“から１５’までの１６サイズ、ライン・ウエイトも合わせると２０タイプ程度のブランクが製造されていました。

英国のオーナーがかなり愛用したらしくスレッドの一部が断裂していました。近年、本流・止水域などでのライト・スペイ・ロッドをお楽しみいただく方が多いい事から、その目的に適合するグラス・ロッドなので今後のご使用を考えて全てのラッピング部の巻き直して行いました。このロッドの元のスレッドを再現すべくハーデイの古い時代のグラスのイメージに近くしてあります。

重厚な造りのブラック・アルミ・シートは当時の英国製のものが取り付けられています。バット・エンドが無くなっていたのでスレッドの巻き直して併せてエクステンションをセットできるにリムーバプル・エクテンション用プラグを取り付けました。 価格には下のエクステンションやリムーバプル・プラグが含まれています。

ロッドのアクションはグラスながらかなりパワーがあります。本流や湖、大きなフライを使用するソルト・ウオーター等での使用にも適しています。ラインはシングルでは＃９〜１０，ダブルの場合は＃８〜９程度が適したサイズです。

ロッド重量約２１０グラム、フル・ウエル・グリップの全長約１８ｃｍ・中心部の最大外径２４ｍｍです。バットのグリップ上端部の外径約１５．８ｍｍ、テイップのトップ・ガイド下の外径約２．４ｍｍです。セミ・ダブルでもシングルでもロング・ロッドに馴れた方にはそれ程重たいと感じる事はないでしょう。

尚、アルミ・シートの全長は約９ｃｍ、エクステンションの全長は約１１．５ｃｍ、セミ・ダブルとしての御使用時のバット・エンドまでのグリップの全長は約３９ｃｍになります。

布ケースはハーデイのケースが付いていますが、１４６ｃｍのロッドより１０ｃｍ程短い事からオリジナルではないと思われます（折り返して紐でロッドを収納できますが）。ハーデイ由来のブランクから作られたロッドだと言う英国のオーナーの気持ちが籠っているように感じました。２ピース、１テイップ。４”エクステンション、リムーバーブル・プラグ付き。当店お問い合わせ番号ＳＡ９４４。ロッド本体の状態は良好と言えます（ラッピングは巻き直しを行ったの問題はありません）、グレードは \２７，５００（税別\２５，０００）

上記にご説明の通りラッピングは全て新規になっています。又、エンド・キャップも新しくして４”のエクステンションを取り付ける事ができます。フェルールの調整作業も行っています。

グリップ下端部に、最大幅幅１１ｍｍｘ鷹さ約５ｍｍの３角形の小さな欠落が見られました。コルク片で埋めてあります。これは英国のフライ・フィッシャマンがしばしばコルクの端にフライを差すことが原因です。多分、補修の跡は殆ど見られないと思われます。エクステンションが付いているので多目的にご利用になれます。

英国製アルミ・シートのバット・エンドが外れていたので、下端部にリムーバブル・エクステンション用エンド・キャップを取り付けてあります。

シート・下端部とエンド・キャップの間には重厚な感じを出すためにトリム・リングが取り付けてあります。

ロッドにはリムーバプル・プラグと４”エクステンションがセットされています。

綺麗に残っているロゴはブラックの手書き文字で書かれています。”シルバー・クリーク・リザーバー　９-1/4”の文字が見えます。ロゴの上を後から表面塗装したようには見えない事から、ロゴ入りだとするとかなりの量のブランクを作った事が考えられます。