1970年代ブルース&ウオーカー・グラファイト・10’#5〜6 メール

1959年Jim BruceがKen Walkerと出会って英国で最初のグラス・ロッドを制作したことが現在の“ブルース&ウオーカー”の始まりです。バンブーからグラスやカーボンへと、素材が大きく変革する時代と共に歩んできたメーカーと言えます。

サーモン・ロッドやトーナメント・ロッドなどが良く知られているように、バンブーのしがらみがないだけに新しい素材に付いての当時として知識が斬新でもありました。遠投力やバランスのとれたアクションには現在でも多くのファンがいます。

ブルース&ウオーカーの多くのロッドのライン・ウエイトのレンジが#5〜#7等のように広い事が特徴ですがこのモデルは#5〜6と一般的なサイズ表示になっています。これはこのロッドのアクションの特徴を良く表しているように推定できます。#5〜6は当時のモデルとしてはかなり繊細なロッドで、日本の渓流や本流に適したかなりデリケートなモデルになっています。慣れた方にはDT4も問題なくご使用になれるでしょう。英国製のアンテイーク・ロッドとしてはかなり特殊なアクションです、渓流のヤマメやイワナでも十分反応する繊細さをもっています。

ロッド重量93グラムの2ピース・グラファイトモデルです。一体式グリップの下端部までの全長は約35cm、グリップ部には22.5cm、シート部には約13cm。シングル・ハンドでも使用するには長時間のキャステイングでも支障を感じない軽さですが、シート部にリールを固定しても約5cm程のスペースが残るようにデザインされているので軽便なスペイ・ロッドとしてもご使用なれます。渓流のみなら本流や中流域でのヤマメ、イワナ釣り用ロング・ロッドとしてお勧めのモデルです。

製造年代はパーツ等から1970年代後半から1980年代初めと推測されます。ロッドにはアンテイークのグラスやグラファイトにしばしば見られる使用上支障のない微小なひっかき傷などが有りますが、これからも長くご使用になれると思われます。2ピース、1テイップ。オリジナル布ケース付。当店お問い合わせ番号SA930。グレードは¥19,800(税別¥18,000)

フェルールの差し込みがゆるかったのを調整を行ってあります。全ての塗装部の防水上塗りを行ってあります。通常力の掛からないコルク・グリップ上端部の一部が凹んでいたので今後の長いご使用を考慮して一部を新しくしてあります

修理部以外のコルク・グリップの状態はかなり良好です。リング・シートもしっかりとリールを固定してくれます。

このようなリング・シートを使うデザインはペゾンなどと類似しています。リールを固定する、下端部に一握り程(約5cm程度)のスペースが生まれて片手を添えられるのでスイッチ・キャストやライト・スペイなどにも適応できます。
ロゴも綺麗に残っています。

ストリッピング・ガイドは当時最新の富士の夜光セラミックガイドが取り付けられています。ブランクに小さなひっかき傷は見られますがスレッドの断裂、大きな傷や塗装の剥離などは見られません。

フェルールの差し込みは調整を行ってあります。最初は少しきつめとお感じになると思いますが、無理にきつく差し込まず使用中に様子を見ながらご使用ください。馴染んでくると所定の位置まで差し込まれるようになります。尚、トップ・ガイドをスレッドで巻いていないのはブルース&ウオーカー・ロッドの特徴です。

矢印部分の古いコルクを取り出して新し物に交換してあります。高さはコルク・リングの一般的なサイズである約13mm、幅は約15mm程にカットして入れ替えました。修理の痕跡は詳細に検証しないと分からない程度だと思います。
 
 
09/24/2020
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