1960年代後期・ブルース&ウオーカー・グラス・サーモン・ロッド・コルドン・ブルー13’6"・#8〜10 メール

1959年、Jim BruceがKen Walkerと出会って英国で最初のグラス・ロッドを制作したことが現在の“ブルース&ウオーカー”の始まりです。バンブーからグラスやカーボンへとフライ・ロッドの素材が大きく変革する時代と共に歩んだメーカーと言えます。サーモン・ロッドやトーナメント・ロッドなどが良く知られているように、バンブーのしがらみがないだけに新しい素材に付いての知識やアイデアが斬新でもありました。ダブル・ハンドの本場でデザインされた遠投力やバランスのとれたアクションには、英国のみならず日本にも多くのファンがいます。

このモデルはブルース&ウオーカーの特徴が顕著に表れる大きなキャステイング・パワーを持ったグラス・サーモン・ロッドです。このモデルは”コルドン・ブルー”の愛称で呼ばれた人気のロッドと推定されます。グラス・ダブル・ハンドとしてはハーデイより少しパワーを感じます。それでもグラスの特徴である柔らかさと魚とのファイトを存分に楽しめるデリケートな部分も感じられます。近年グラス・ロッドの人気が大きく高まり、多くのグラス・ロッドの入手が難しくなっています。

ブルース・ウオーカーのロッドは製造年代等によって全長や各セクションの長さに若干の差異があります。オークションでの説明も13’3”と記載されているこのモデルの全長は計測すると13’6”程になります。ブルース・ウオーカーのロッドはハンド・ビルドと言われていますのでかなりその時々の工夫が活かされていると思われます(バンブー程ではなくても)。計測した実際の長さでご説明を申し上げます。

ロッド重量約440グラム、ロッドを振ると、キャステイング能力を重視したデザインが生み出す大きなトルクを伴なったパワーを感じられると思います。ロング・ロッドに慣れた方なら優れたデザインが持ち重りを防いでくれるので重たいとは感じないと思います。遠投を存分に楽しみ、魚とのファイトも長い時間楽しめるグラス・ロッドの長所をお楽しみいただけるでしょう。 グリップの全長は約70センチ、最大外径約28mm。グリップ上端部近辺のブランクの外径約17.6ミリ、トップ・ガイド下のブランク外径約4.09ミリです。

スペイの本場である英国の伝統的ロッド・アクションに慣れていない方でも、このロッドならすぐに馴染める現代的なデザインのロッドです。尚、年代等は仕様などからの類推ですので正確なものではありません。 使用頻度はアンテイーク・ロッドとしては一般的な頻度です、ロッドの状態は良好と言えるでしょう。3ピース、1テイップのロング・ロッドです。フェルールは1ピースに似たデリケートなアクションに仕上げられるスピゴット・フェルール。オリジナル布ケース付。当店お問い合わせ番号SA924。グレードは説明: http://www.sasanofly.com/antiqueimg/logo_antique/stars/3stars.gif 説明: http://www.sasanofly.com/img/zeikomi.gif\37,400(税別\34,000)

ラバー・エンドまでの全長約70cmの長いコルク・グリップの状態は良好です。大きな欠落や凹みなどは見られません。

実施したレストアー目立つほどのブランクの傷、ラッピング部分の塗装面の剥離やひび割れ、スレッドの切断等が殆ど見られない状態ですが(ミドル下端部に使用に支障の無い微小なほつれがありますが)、今後のご使用を考慮して全てのラッピング部の防水上塗りを行いました。

 

 

 

スクリュー・ロック・シートが付いているのでリール固定力は確りしています。ラバー・バット・エンド付き、グラス・ロッドながら古い時代の手の込んだ仕様です。

オリジナルのロゴ・マークも綺麗に残っています。一人のオーナーによって丁寧に使用されたことが推測されます。
ガイドとフェルールのラッピング部分にはひび割れや剥離が見られません。オリジナルの状態です。ガイドは全てオープン・フレーム・タイプです。
各フェルールの差し込み具合は正常で緩みやがたつき等は見られません。

スピゴット・フェルールについて:スピゴット・フェルールは極端に強すぎる力で差し込むと抜けなくなる恐れがあります。抜けない程度の程々の差込でご使用になりながら、様子を見て力加減を判断してください。心配の場合はビニール・テープ等で繋ぎ部分を補強する事も一つの選択肢です。

スピゴット・フェルールはアクションを損なわない継ぎ方としての利点がありますが、長いご使用でオスのフェルール素材が磨耗する場合があります。その分を考慮して最初から隙間を取ってあります。長年の使用でその隙間が無くなった場合はオス・フェルールに塗装を行って調整をしますが、その場合馴染むまでかなり隙間が広くなりますが暫くして10〜20ミリ程度になりますので様子を見ながらご使用ください。あまりきつい場合はワックス等を塗ってみてください、差込がスムースになります。


01/25/2020
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