ロッド重量約130グラム、バットのグリップ先端部の対面外径約8.6mm、テイップのトップ・ガイド下の対面外径約約2.1mmです。シートと一体式のグリップのシート部分を含めた全長は約26cmです。このロッドは、大変貴重な発売5年後の1937年モデルになりますが、状態が非常に良好な事とアクションが現在のモダンなロッドに似てハーデイとしてはかなりデリケートな部類と言う特徴があります。
当店での販売がそれ程多くないのですが、トライアンフは上段説明文の通りかなり遠投用のハードなロッドの印象があります。発売当初のJJハーデイ・トライアンフはこのように柔らかいアクションであったのかそれとも特注であったのか特定はできませんがこのロッドは現在の#4〜#5に適したモデルです。ロッドを振るとその軽さと(カルカッタ・ケーンの可能性も推測されます)デリーケートなアクションというのが最初の印象です、どなたでも違和感なく渓流から中流域の釣りを楽しむ事が出来るお勧めのモデルです。持つ楽しみ・見る楽しみそして使う楽しみが高いグレードで堪能できるアンテイーク・ロッドです。
ガイド部、ジョイント部はクリムゾン・カラーにスカーレットの飾巻き、ラッピングは古い時代の丁寧な作りを感じさせる最後が何重かに巻かれています。インター・ミデイエット・ラップはブランク部カラーと同一、全体的にシックなラッピングです。ロッドの状態は、最も多くの良質ロッドを輩出した1930年代のモデルとしてはほぼオリジナルの状態を保ったかなり良好なグレードです。
グリップ上端部の飾巻部分は前のオーナーが個人で巻き直したと思われます、又ストリッピングも巻き直された可能性がありますがこちらはプロの手によると思われます。フェルール・キャップはメスのウッド製のみならず珍しいオス用の金属製カバーも付属しています。特筆すべきは当時のイギリス製品のクオリテイーの高さを表している上段写真のウッド・ケースが付いている事です。そこまでやるかと思われる極めて凝った造りに見る楽しさを味わえると思います。ウッド・ケースにはハーデイのロゴが付いています、更にこのケースを収納するオリジナルの布ケースも付いています。ウッドのケースのストラップの一部が切れかかっていたり細部に欠落が見られますが大変綺麗な状態です。これらの付属品の状態からこのロッドはかなり丁寧に使用された事が見て取れます。
トップとストリッピングはハーデイのクリヤー・メノウが使用されています。他のスネーク・ガイド類も含めて錆などが見られない大変良好な状態を保っています。全体のロッドの状態はかなり綺麗でこれからも長くご使用できる美しいアンテイーク・ロッドです、2ピース、1テイップ・モデル。デラックスなハーデイ・オリジナル・ウッド・ケースと布ケース付。フェルール・キャップ2個付き。当店お問い合わせ番号SA918。グレードは¥53,900(税別¥49,000)
*古い時代のハーデイは、特注がしばしば見られる事や年代による変動などからこの説明が同じモデルの全てに適応するものではありません。掲載ロッドだけの説明とご理解ください。
1930年代のロッドとしては状態が非常に綺麗な為レストアーの必要性はありませんでしたがテイップ部の1本のインター・ミデイエットが少し弱っていたので今後の使用を考えて巻き直しを行いました。テイップの軽微な曲がり直しも行ってあります。これらの軽微なレストアーの痕跡は見つけにくいと思われます。