1970〜80年代のオービス・グラファイトはアンサウンド仕様が特徴ですが、モダンなモデルに比べてかなり滑らかでデリケートなアクションがアンテイーク・ロッド愛好者の方に好評です。現在でも非常に人気が高くお気に入りのロッドとして愛用する方が少なくありません。しなやかにバットから曲がるパラボリック・アクション、グラス・ロッドの人気が高まっているのと同一の現象と思われます。オービスでも未だバンブー・ロッドの比率がかなり高かった時代でしたので、バンブー・ロッド製作の雰囲気がロッドに残っている事も人気の一因かもしれません。
ロッド名の由来は、アメリカ東部地方にしばしば見られる石灰岩(ライムストーン)地帯を流れる渓流でのレインボー、ブラウン、ブルックなどを対象としたデリケートなロッドのデザインによります。1970年代、情報の伝達が今ほどスムースではなかったので、遠く離れた西部の釣りとはかなり違った様相のフライ・フィッシングが楽しまれていた時代です。
オービス・グラファイトの中でも当時の日本のフライ・フィッシャマンに人気の高かったドライ・フライ用ロッドで非常にデリケートかつシャープなモデルです。当時はウエットやニンフはそれ程ポピュラーではなかったので専ら長さのあるドライ・フライ・ロッドとして高い評価を得ていました。渓流から、本流や中流域まで、多目的な用途にご使用になれる万能モデルです。
ロッドには#6とライン・ナンバーが表記されていますが、一般的にこの表記の場合はDT5でWF6が適していると言われています。現在のパワーのあるフライ・ラインでは特にDT5(DT4も使用可能です)がメインででWF6も使用できるとお考えいただくと良いと思われます。
ロッド重量約70グラム、グリップの全長16.5cm。グリップ上端部のキーパー取り付け部分の外径約7.7mm、トップ・ガイド下の外径は1.4mm。
ロッドの状態は良好で英国のフライ・フィッシャマンの使用としてはかなり丁寧であったと推測されます。オービス・オリジナルの布ケースとアルミ・ケースが付いています(キャップのゴム・リングが切れていますが使用に支障はありません)。当店お問い合わせ番号SA905。グレードは¥36,720(税別¥34,000)
かなり良好な状態の為オリジナルのままでも問題はありませんが、多目的にご使用になれる万能ロッドなので今後の長期間の使用を考慮してラッピング部の防水上塗りを行いました。