1960年代ファーロー ”ゴールド・バンド”グラス・ロッド |
||||
|
||||
|
||||
ロッドの状態はグラス・ロッドとしてはかなり綺麗なのですが、海外からの輸送中にカートンの中で押された為に、テイップ下端の長さ7cm程のメス・フェルールに1本のクラックが入ってしまいました。フェルール下端から長さ約5cmの1本の縦方向のクラックです。 取り付けられたフェルールの少し上までの部分を(約74mm)防弾チョッキの繊維であるケブラー・スレッドで巻き、更にその上からブランクに類似したカラーのナイロン・スレッドで巻きました。フェルール下端部にはニッケルのフィニッシング・リングを取り付けて強度と外観を高めてあります。 丁寧なご使用に慣れたアンテイーク・ロッドに造詣の深い方にお使いいただければと思っています。当店の経験ではこの補強で一般的にはフェルール部分が破損する事はないと推定しております。テストを行っていますのでご参照ください。 尚、バンブーやグラスのアンテイーク・ロッドに精通した方ならこれからも長期間ご使用になれるので、全てのラッピング部分の防水上塗りを行ってあります。 |
||||
#9ラインを付けて50回フォルス・キャストを行いました。レストアーの検証でしたがラインの伸びと心地良いアクションを楽しんでしまいました。 その後、重さ約200グラムのレインボー・ピローを5分間ロッドだけで持ち上げて置きました。テストで異常を感じる事はありませんでした。
|
||||
ブロンズ・カラーの如何にもイギリス製らしい重厚で凝った作りのシートが付いています。写真下のテイップの下端部がクラックを補修した個所です。 | ||||
大変珍しい事ですがファーローとシャープスの二つのロゴが入っています。ロゴ部分はほぼ完全に残っています。アンテイーク・ロッド愛好者の方には大切な個所なので防水上塗りを薄く施してあります。 | ||||
ブランクには目立つような傷やスレッドの断裂は見られません。イギリス製ロッドの証のように左巻きスネーク・ガイドが付いています。 |
||||
全体の外観の印象からは使用頻度がそれ程多くないように見えます。この為、フェルールの差し込みは若干浅めですが(バット側の闘争面が摩耗して来ると現状より少し深く差し込まれるでしょう)、ガタツキなどは見られません。初期の内は時折抜けを確認しながらご使用する事をお勧めします。 |
||||
|