1890年代スプライスド・ジョイント・グリーン・ハート13’6”#7〜8メール

メーカー名をロッドやオリジナルと思われる布ケースから見つける事が出来ない為年代等は当店の推測です。レストアー終了後、ロッドのスプライ部分をテープで巻いて20回ほどテストで振ってみました。アクションはグリーン・ハートの特徴である、極めて緩やかに曲り滑らかにロッドが返ってきます。本来非常に硬い素材のグリーン・ハートなので最後まで曲がると、デリケートなアクションから想像していた以上の大きな反発力が生まれますが、それでもアンテイークらしいマイルドなパワーです。

このロッドは製造年代から見ると状態がかなり良好で、グリーン・ハート・ロッドにしばしば見れらる破損等は見られず2テイップがショートせずに揃っています。取り付けられたパーツ類も1本のトップ・ガイドが交換された以外はほぼオリジナルの状態と思われます。

グリップ上端部のブランクの外径は約15mm、トップ・ガイド下端部のブランクの外径はそれぞれ3.7mm。ラバー・エンド下端部までのコルク・グリップの全長は約64cm。ロッド重量約610グラム、ロッドを振るとそれ程重たいとは感じられません。 1ピースに似たシャープなアクションが生まれると人気の高いスプライスド・ジョイント、滑らかなアクションが特徴のグリーン・ハートには最適な仕様と言えます。

3ピース、2テイップ、布ケースは付いていますが年代から考えてオリジナルかどうかは確定できません。メーカー名等が不明な点を考慮してかなりお買い得の価格になっています。当店お問い合わせ番号SA895。グレードは\29,160(税別\27,000)

状態はかなり良好ですが、今後の使用を考慮して全てのラッピング部の防水上塗りとロッド全体の防水上塗りを行ってあります。加えて曲がり直しも行いました。リール・シートのリテイナーが止められた6本のネジの内1本が外れていたので類似の英国製のアンテイーク・ロッドから取り外した真鍮製ネジで止めてあります(写真一番右)。メノウのストリッピング・ガイドはラッピング部が英国で巻き直されていました、カラーが少しオリジナルと異なるのでブラックのスレッドを上巻きして他の部分との同一性を保ちました。

 

 レストアー終了後テーピングで固定してラインを通さずに20回ほど振ってみましたが問題はありませんでした。 

グリップとシートが一体式、全長は約64cm、コルクの状態は一般的に古い年代に製造されているグリーンハートとしてはかなり良好、目立つような欠落は見られません。ラバー・エンドのメタル・バット・エンドと接する部分に小さなひび割れが多く見られますが使用上支障はありません。

ロッドにメーカーのロゴなどが見つかりません。ブランクに大きな傷などが見られないかなり綺麗な状態である事がお分かりいただけるでしょう。

 

 

ロッドには目立つような傷や塗装面の欠落は見られない良好な状態、製造年代を考慮するとかなり綺麗な外観です。スレッドの断裂や塗装の剥離なども見られません。今後も長くご愛用いただけるロッドです。オレンジ・メノウの・ストリッピング・ガイドもかなり綺麗な状態です。1本のトップ・ガイドがこのストリッピングと同じモデルと思われることからオリジナルと推測しています。ただ、1800年代終わりから1900年代初めにこれだけのガイドが製造されていたかが推定出来かねています。同類のトップとストリッピング・メノウ・ガイドの状態がかなり良好であるとは言えます。

尚、ストリッピングは英国に於いて黒っぽいオリーブのスレッドで巻き直しが行われています。当店で更に上からブラックのスレッドで他の部分と同一のカラーにしました。ラッピング部分は全て防水上塗りを行ってあります。ブランク本体も全体の防水上塗りを行いました。

コレクターに人気のスプライスド・フェルールはレストアー後に当店で固定して振ってみましたが確りと固定されます。尚、1個のトップ・ガイドは少し新しい時代のメノウ・ガイドと交換されています。


12/21/2018

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