これだけの完成度の高いロッドを作るメーカーなのですが、当店では正確な情報がありません。可能性としてはロンドン南西部のマートン地区にあったメーカーではないかという不確かな推測が有るだけです。年代等は仕様等からの当店の推測ですがスプライスド・ジョイント仕様などから1930年代程度の古い可能性も考えられます。
このロッドの最大の特徴は大変貴重なスプライスド・ジョイント仕様のデリケートなロッドと言う事です。一般的にスプライスド・ジョイントはサーモン・ロッドなどに採用されている例が殆どで、日本の渓流用に人気の高いライト・アクションでは極めて稀な例になります。
当店で検査の為にレストアーが終了したロッドのフェルールをテーピングして振ってみました。その柔らかさと滑らかさに驚きました。現在のナイロン・ラインでは#2〜3が最適で#4も振る事が出来ると思われます。柔らかなアクションであってもべたつく感じはありません、十分なキャステイング能力を感じさせます。金属のフェルールが付いていては出せないデリケートなロッド、スプライスド・ジョイントの特徴が十分に発揮されたアクションと言えます。
このロッドは状態がかなり良好な上2テイップが揃っています。ロッド重量約160グラム、グリップの長さは約152mm。グリップ上端部の対面外径は約8.5mm、トプ・ガイド下の対面外径は約2mmです。ラバー・エンド下端部まで含めたシートの全長は約95mmです。
長さも9’でかなり軽く感じます、日本の渓流では多目的にご使用になれます。日本のフライ・フィッシャマンのお好みに合う非常に柔らかなアクションのモデル、ヤマメを掛けるとバットから曲がりますが魚を引き寄せる力はあります。かなり凝った作りのモデルで全てのスプライスド・ジョイント部は丁寧にスレッドで巻かれ更に塗装が施されています。これ程のライト・アクションのスプライスド・ジョイント・モデルはかなり貴重なモデルと思われます。スプライスド・ジョイント・ロッドのご愛用者の方にお勧めのモデルです。エクストラ・テイップ付きなので今後も安心してご使用になれます。