縫針のメーカーとして18世紀レデイッチで創業した古い歴史を誇るミルワードは、他の当時の世界の釣具製造の中心地・レデイッチのメーカーと同じく1800年代後半から釣具の製造を始めた。古い歴史を持つフライ用品の総合メーカーでしたが20世紀半ばには姿を消してしまいました。
当店で持っているミルワードの1957ー1958年のカタログにはこのロッドが見当たりません、従って年代は当店の推測です。アクションは英国で一般的なトルクの高いアクションですので、ロング・キャストには特に適しています。人気の高いショート・ロッド、ただ振っただけですと若干ヘビーな印象を受けるでしょう。本領は釣り場でラインを通しキャステイングを繰り返しヤマメを掛けると納得されると思います。ラインはスムースなループを描いてかなりの距離でも静かに水面に落ちます。ヤマメの引きはグリップに伝わりファイトを存分に楽しむ事が出来ます。渓流でのドライドライがメインとなりますが、それのみならず中流域でのウエットやニンフにも適した万能タイプのロッドと言えます。
一般的な日本のフライ・フィッシャマンには、このモデルは確りしたアクションのロッドと感じられる可能性が高いと推測されます(ペゾン愛好家の方には若干柔らかめと感じるでしょう)が、このようなロッドは使い慣れてくると柔らかなロッドより魚とファイトする力が手にストレートに手に伝わり面白いとお感じになるようです。
ロッドの状態は良好で大きな曲りや、ブランクに目立つような傷は見られません。各ラッピング部分のスレッドの切断も見られません。これからも長くご愛用いただける渓流用ロッドです。
シート一体式グリップの全長は約27cm。バットのキーパー取付け部の外径が対面で約8.4ミリ、トップ・ガイドのラッピング部の下端で約2.1ミリ。ロッド重量約140グラム、日本の渓流のドライ・フライのメインのロッドとしてご愛用頂けます。
フェール・キャップが付いています。布ケースはオリジナルではありません、2ピース・1テイップ・モデル。当店お問い合わせ番号SA878。 グレードは¥37,800(税別¥35,000)
英国でラッピング部の塗装と全体の防水塗装が行なわれたと推測されます。その為基本的な状態は良好で特別のレストアーの必要性が認められませんでした。テイップ・セクションの軽微な曲がり直しを行いました。トップ・ガイドが少し歪んでいたので未使用で類似のアンテイークガイドと交換してあります(違和感がないので識別はできないと思れます)。