現在ではフィリプソンの名前は無くなってしまいましたが、PWフィリプソンが創業したのは1925年頃とアメリカでも歴史のあるメーカーの一つです。1938頃にグレンジャーに吸収された後、W.フィリプソンにより1945年頃には再興されて現在でも根強い人気のデリケートなロッドを1960年代頃(身売りをしたので製品はこの後も提供されていましたが年代は不確かです)まで製造していました。
フィリプソンは技術力が大変優れており、特にグラス・ロッドの時代には現在でも極めて愛好者の多いロッド・シリーズを数多くデザインしていました。レナード、オービス、後年買収される3M等にOEMで提供するほどの技術力がありました。これらはフィリプソンを買った会社が提供していた可能性もあります。当店でも1970年代終わり頃から、ロドン社(後年REC社となる会社の元ですが)フィリプソンのブランクをかなり多量に輸入していました。
コレクターの間で圧倒的な人気のフィリプソンのグラス・ブランクを使ってオービスが組み立てたフライ・ロッド。フィリプソン・エポキシサイト独特の滑らかで違和感のない手ごたえを楽しめる極めて貴重なショート・ロッド。フィリプソンは塗装面の強度が弱くしばしば薄くなることがあります、このロッドもバットの一部やオス・フェルール小さな剥離が見られますが使用上支障はありません。貴重なモデルなのでラッピングの防水上塗りを行いました。これらを考慮してフィリプソンのグラス・ショート・ロッドながらお買い得な価格に設定されています。
ロッド重量約90グラム、グリップの全長は15cm、グリップ上端部のブランクの外径は約9.8mm、トップ・ガイド下の外径は約2mmです。
ラインはシルク・ラインがかなりポピュラーであった古い時代の表示のHCF(WF#7に該当)ですがパワフルな現在のラインではDT#5またはWF6が最適でしょう(DT4でも支障なくキャステイングが楽しめます)。こロッドのライン表示がAFTM以前の古い表示である事からも1960年代終わりから1970年代初頭の製造年代と推定されます。当時のグラス・ロッドはバンブー職人の手により、バンブーのアクションの再現を目指したデザインになっています。これが現在のフライ・フィッシャマンの御好みに合うようです。滑らかに曲がるロッドですが、肉厚のブランクが十分なトルクを思っています。キャステイングを楽しみ、魚とのファイトでは根元から曲がるロッドをコントロールする楽しみがあります。
オリジナルではありませんがアルミ・ケースと布ケース付。当店お問い合わせ番号SA800。状態はかなり使用された形跡が見られますが、機能面は良好ですグレードは \42,120(税別\39,000)