オークションでの説明文書ではハーデイのフライ・ロッドとしか記載されていませんでした。モデル名のゴールド・メダルと製造年の1903年は下記にご説明した事からの当店の推定です。
年代に付いてはロッドに刻印されたシリアル・ナンバー“9”から始まる4桁(通常は5桁ですが)の数字が認められます。1904年以前のハーデイではシリアル・ナンバーが数字だけで、それ以降のモデルにあるアルファベットが付いていません。又、“9”の数字は1903年モデルから使用されています。更にウッドのグリップ、ストリッピングもスネークであることなどの幾つかの仕様からも1903年は妥当な推定年代と思われます。
このロッドはかなり変わっていて多分特注のモデルと思われます。テイップの先端部の6cm・約2.5インチがトップ・ガイドと一体化した極細のステイールになっています。当店でも初めて目にする仕様です。もし特注で製造したとすると、当時最も人気の高かったモデルであろうと思われます。1892年から1957年まで製造されていたゴールド・メダルのステイール・センター仕様が最も該当するモデルに思えます。ステイール・センター仕様からテイップ部にも曲がりや耐久性を保つためにステイールにと言うアイデアに辿り着くにはそれ程の距離がないと思われます。
以上がロッド名と年代に付いての当店の推定の根拠ですが、間違っている場合もあります。状態は大変綺麗で使用するロッドとしてのクオリテイーはかなり高いのですが、2テイップ揃ったモデルとしてはかなりお買い得な理由はモデル名と年代が特定できない事からです。
ロッドはかなり柔らかくそして長さから考えるとかなり軽いと言えます。一般的にはダブルでの使用を考慮したデザインと思いますが、ロング・ロッドを振りなられた方ならシングルとしての使用するには問題がないと思います。この柔らかさがステイール・センター仕様ではないかと言う推測の根拠になっています。又、この軽さは、この年代のロッドにしばしば見られるカルカッタ・ケーンが素材に使われている可能性が高いと思われます。
シート・リテイナー部分とラバー・エンドの間に約4.5cmのスペースがあるのでダブル・ハンドとしての使用が可能です。ラインは#5をメインに#4〜6程度に適応しています。広めの渓流のシングルから中流域のダブルまで多目的にご使用になれる大変デリケートなモデルです。
ロッドの状態は年代から考えるとかなり良好でスレッドの断裂や気になるようなフェルールのガタツキは見られません。 テイップは2本ともオリジナルの状態でショートは見られません。ガイド類、ラッピングも曲がりや錆、断裂が見られず初期の状態を保っています。
シート一体式のウッド・グリップのラーバー・エンドまでの長さは約40cm。ロッド重量は約340グラム、グリップ上端部の対面外径は約10.3mm、トップ・ガイド下のステイールの外径は約1.15mmです。