1960年代11‘#7〜8メール

メーカー名とモデル名が書かれているのですが、正確に読み取る事が出来ません。年代等は仕様やこのロッドに張られた前の所有者の名前からの推測です。

”サー・エドワード・フィールデン(Sir Edward Fielden)”の名前が紙片にプリントされテープで張られています。電話番号まで書き込まれているので自らが紛失に備えて張ったと思われます。

調べてみると、エドワード・フィールデン卿は、英国空軍の副元帥であり英国ロイヤル・ファミリーの飛行隊の隊長であったようです。1903年に生まれ1976年に亡くなっており、娘さんと息子さんの二人の子供がいました。夫人が2014年に逝去したようで、夫人が亡くなった事から、このフィールデン卿のフライ・ロッドがオークションに出品されたと考えられます。フィールデン卿が60歳頃から釣りを楽しんだとすると1960年代に作られたロッドの可能性が考えられます。

ロッドの状態は大変良好です、フィールデン卿はスコットランドに住んでいたようなのでスコットランドのメーカーのロッドではないかと推定しています。近年人気の高いショート・スペイ・ロッド、3ピース・1テイップです。アクションはかなりスムースなベンデイング・カーブを描きますが、パワーがありそうです。ロッドには当時のラインで#8が表記されていますが、現在のパワフルなナイロン・ラインでは♯7をメインにして#6〜#8までに対応できると思われます。

ロッド重量は約320グラム、グリップの全長は45cm、グリップ上端部のロッドの対面外径は約11mm、トップ・ガイド下端部の対面外径は2.4mmです。ロング・ロッドに馴れた方なら時折シングルでも振れる軽快なスぺイ・ロッドです。 使用上問題の無い瑕疵部分を除いて状態はかなり良好で綺麗です。3ピース、1テイップ、オリジナル布ケース付き。当店お問い合わせ番号SA770。グレードは \34,560(税別\32,000)

コルク・グリップの形状も大変合理的で握りやすいデザインです。コルの欠落などはほとんど見られない良好な状態です。

下記に説明した瑕疵のレストアーを行いました。状態がかなり良好なことから今後も長くご使用が可能なので、全てのラッピング部分の防水上塗りを行いました。

シートはスライド式スクリュー・タイプで任意の位置にリールを固定できます。フェルール部の小さな白いラッピング部については下記をご覧ください。

 

Sir Edward Fieldenと前のオーナが自らの名前などをプリントした紙をテープで張り付けてあります。簡単に取る事が出来ますがこのロッドの物語の一部として残してあります。

ロッド名などが書かれていますが全てが正確には判読できない事や似通ったメーカーのデータが無い事などから特定できませんでした。

 
ロッドには大きな傷などは見られません。基本的なロッドの状態はかなり良質です。ストリッピング・ガイドは初期のセラミック・リングが付いています。スレッドの断裂などは見られません。
トップ・ガイドは初期のセラミック・リング付きタイプがついています。写真一番上のバットセクションに取り付けられたスネークのフットがロッドのフェルールを抜く時に少し下にずれたようですが使用上支障はありません。差込は若干きつめですが確りと固定できガタツキは見られません。
瑕疵に付いて

瑕疵として理由は不明ですがミドルのオス・フェルールの上・A点に長さ3~4mm程の微小なヘヤー・ライン・クラックが見られました。このままでも問題はありませんが、念の為ケプラーのスレッドで補強をしました。

バンブー・ブランクがフェルールの差し込み部分の下まで(Bの間隔、ヘヤー・ライン・クラック部を含めて)がっちりと固定されておりこのヘヤー・ライン部分が今後の使用に格別の支障が出る事は考えにくいと思います。前のオーナー、エドワード・フィールデン卿も気づかずに使用して(当店での検証で分かりました)おり当店でもテストを行っております。

なお、テイップ・セクションのオス・フェルール部は全く問題はありませんが、デザイン上同じカラーのケプラーで巻きました(C点)。価格はこれらを考慮して状態がかなり良好ながら特別の価格になっています。


01/11/2018

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