豪華な仕様の外観・アクション・由来がすべて素晴らしく、加えて大変美しいハーデイのアンテイーク・フライ・ロッドです。ロンドンから西に向かうテスト川がありますが、そこに所在するクラブ、名門ホートン・クラブから命名されたロッドです。あのキャステイングの名手Ｊ．Ｊ．ハーデイがテスト川を訪れて開発したフライ・ロッドです。由来と言いアクションと言いハーデイの名竿の一つと言えます。ホートンには若干硬めのドライ・フライ・ロッド・モデルのクラウン・ホートンがありますが、このモデルは若干デリケートなアクションのホートンです（サーモンも疎遡上するテスト川なのでもちろん大きなレインボー・トラウトなどにも対応しています）。

ロッド重量は約２６０グラム、ロッドを振ると１０‘０“のロング・ロッドであることが信じられないほど軽い事に驚かされます。＃３ラインでも振れるデリケートなアクション、経年によるロッドの張りは失われていません。当時のバンブー素材（かなりの確率でカルカッタ・ケーンと推測されますが）の素晴らしさと、優れた職人の腕から生まれた美しいロッドです。シングルでは振れないと思ってしまう１０’のロング・ロッドですが、バンブー・ロッドに馴れた方ならそれ程目方を意識しないでキャステイングを楽しむ事が出来るでしょう。尚、当店のスピアー用エクステンションが取り付け可能ですのでセミ・ダブルとしてもご使用になれます。

１１０年以上昔に作られたロッドとは思えない程状態が良好で、ほぼオリジナルの状態を保っています。トップとストリッピング・ガイドはメノウです。贅沢に作られたこの時代のロッドらしく各インターミデイエット・ラップの間隔が非常に狭く巻かれています、それらに剥離や切れなどは見られません（レストアー済み）。ブラス・エンド・キャップに”ホートン”と刻印されています。

本流や中流域でのドライ、突飛なようですが渓流でのドライにも大変効果的な事はテンカラの釣りからお分かりいただけると思います。３ピース、２テイップ、アンテイーク・ロッドの仕様として人気の高い美しいブラス製のスピアーが付いています。綺麗なハーデイのロゴ・マーク付ケースに入っていますが、ホートンのオリジナル・ケースではないと思われます。

ロッド重量約２６０グラム、シート一体式柾目コルク・グリップの全長約３２ｃｍ、バット・セクションのグリップ上端部の対面外径約１０．１ｍｍ、テイップのトップ・ガイド下の対面外径約２．０ｍｍです。3ピース、２テイップ、ハーデイ・布ケース付。フェルール・キャップ付き。当店お問い合わせ番号ＳＡ７３３。グレードは￥６６，９６０（税別￥６２，０００）

＊このロッドには6月22日現在、海外在住のお客様のお問い合わせを頂いています。7月に来日の折にご高覧の上ご購入の有無をお決めになるとの事です。一番目のお客様がいらっしゃいますので2番目以降のご予約となります。

状態がかなり良好ですが今後の使用を考慮して、２０か所ほどのインターミデイエット・ラップ部分の巻きが弱っていたので巻き直しを行いました。ストリッピン・ガイドの微小な曲りを直してあります。全てのラッピングとブランクの防水上塗りを行いました。ロッド全体の微小な曲がり直しも行っています。貴重で美しいアンテイークの為にオリジナリテイーを損なわないよう細心の注意を払って作業を行っていますので、修理箇所の識別は難しいと思います。

コルク・グリップの状態は良好と言えます。仔細に検査すると５ｍｍ程のヘヤー・ラインと直径５ｍｍ程の小さな欠落が見られます（殆ど気にならないと思われます）が使用上支障はありません。

ブランクの表面も大変綺麗な状態です。インターミデイエット・ラップ部分の巻きの完成度が大変高く、美しささえ感じるロッドです。

機能性の高いロック・ファースト・フェルールが使用されています。経年による摩耗が見られ僅かながたつき音を感じるお客様が居るかもしれませんが（感じ方に個人差があります）、使用上支障はありません。トップ・ガイドは軽量タイプのハーデイ・メノウ・ガイドが付いています。ガイドの大きさが若干異なりますが巻き替えた様子が見られません。ラインの太さに応じて２サイズのガイドを取り付けるように依頼した特注モデルと推測されます。当時のハーデイは詳細な特注を受け付けていました。