1930年代・グリーン・ハート・サーモン・ロッド12‘4”#6〜8 メール

アイルランドのドニゴールにあったドハテイーと言う(Doherty)このロッドのメーカーがどのようなものであったかが不明です。ロッド全体はインター・ミデイエットで巻かれたアンテイークらしい雰囲気のロッドです。ブランク下端部がフェルールの外に突き出した手の込んだ仕様等から1800年代から1900年代初頭の製造も考えられます。

近年、円やかなアクションのグリーン・ハートの人気が高まっていますが、ほとんどが1900年代初頭までに製造を中止ている事も残された数量が極めて少ないようです。更に、若干強度に問題があるためテイップが破損していないロッドは稀です。入荷が極めてむずかしくなっています。このロッドはアンテイークらしい雰囲気が愛好者を魅了する仕上がりになっています。アクションは軽く非常にデリケートです。ラインは#6〜#8ライン程度をキャストすることが出来るでしょう。

ロッド重量約450グラム。グリップの全長は約60センチ、このうち下部には固定された下端部のシート金具から約23センチのスペースがあります。下端部のスペースが通常のスぺイ・ロッドに比べて長い事からフライのほかにキャスアテイングにも使用できる多目的ロッドではないかと推測しています。

瑕疵としてはミドルが推測で約2”ショートしていると考えられます。ミドルがテイップより短いと言うデザインは考えにくいので、オリジナルでは12’6”であったと思われます。テイップのショートの場合はアクションに大きな影響が出ますが、ミドルの若干のショートは使用上支障がありません。ロッドはもしかするとハーデイのヘブリジアンと同じく、フライやキャステインなどと多目的に使用されるロッド・デザインの可能性も考えられます。このロッドは実際には12’4”の長さがあります。このショートがあるために人気の高いグリンハートのスぺイ・ロッドながらかなりお買得になっています。

ロッドのアクションはグリーン・ハート愛好者の方なら納得できる滑らかな感触で柔らかなキャステイングを楽しむことが出来ます。ロッドの基本的な状態は約3”のミドルのショート以外基本的な機能に瑕疵は見られません。3ピース、1テイップ、ケースは付いていません。当店お問い合わせ番号SA515。アンテイーク・ロッドとしては普通の状態でグレードは \29,400(税別\28,000)

フェルールを2か所着脱して再接着しました。全てのガイドとフェルールのラッピングを巻き直して再塗装を行っています。ブランクの全塗装を行いました。今後の使用を考慮してほぼフル・レストアーに近い作業を行っています。

固定された下端部のシート金具から23センチのスペースがあります。古いグリーン・ハートの特徴でもあるのですが、フェルールの下部からブランクの先端が出ています。フェルールの接続をしっかりさせる目的のようです。コルクの下端部の角が僅かに欠落していたので修理してあります。ラバー・エンドはネジが機能しないようで取り外すことが出来ません。使用上支障はありません。

ドハテイーのロゴは綺麗な状態で残っています。インターミデイエットも綺麗な状態でした、3か所ほどを巻き直しただけです。

ストリッピングは綺麗なクリヤーのメノウガイドが付いています。オープン・フレーム・ガイドを1個交換してあります。基本的なロッド・ブランクは曲がり直しを行った程度で状態は良好でした。

トップ・ガイドは交換してあります。テイップとミドルの下端部をそろえて撮影しました。約2”ミドルがショートしていると推測されます。フェルールは2か所脱着してありますのでガタツキなどは見られません。丁寧にご使用いただければ長くお楽しみいただけると思います。

フェルールの上端部がラッピングされているのが古い時代の特徴です。巻き直しを行いました。


09/23/2017

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