大変種類の多いハーデイ・バンブー・ロッドの中でもこのパラコナ・ヘブリデイアンは大変珍しいロッドです。1925年から1956年まで、シリーズはただこの13‘9“のみで製造されていたユニークなロッドでもあります。1934年のハーデイ・アン グラーズ・ガイド戴冠式バージョン によると“アングラーズ・ガイド・ツー・ザ・アイリッシュ・フィシャリーズ・アンド・トラウト・アングリング”の著者Corrigeenのデザインによる特別モデルであることが書かれています。この由来から考えるとこのロッドの特殊性も理解できます。
ヘブリジアンには通常のパラコナとステイール・センターの2モデルがあります。当時英国でフライ・フィシイングを楽しんでいた階層から一般的に特注モデルやデラックスなモデルが多い事、アーサー・ウッドを思わせるアクション等からかなりの可能性でステイール・センターではないかと推測しています。
このロッドが作られた1930年代頃のアンテイーク・ロッドが大変人気の高い理由は特注が多い事もありますが、細部まで決して手を抜かない作りにあります。外観の美しさを生み出す職人の技術は当然デザインでも決して手を抜いていません。外観から当時のハーデイの重厚な美しさを感じ・使って納得する、最善のロッドを作ると言う意思が表れているロッドが少なくないからのようです。このロッドのラバー・エンドなどもこの年代の手を抜かない作り方が現れたものです。一種の消耗品でもあるラバー・エンドにハーデイのロゴが有るのも驚きですが、下端部にも施されているのを見ると手を抜かない職人達の熱心さを感じます。
瑕疵としては1本のテイップが約18センチショートしています。トップ・ガイドから18センチ程ショートしていますが、トップ・ガイドと一つ目の間に1個オープン・ブリッチ・ガイド追加してスペアーとして十分使用できるようにしてあります。トップ・ガイドはクラシックなパーフェクションのガイドを取り付けてあります。
バットとミドル接合部のフェルールが経年により僅かに摩耗しているようで、振り方によってはまれに微小なガタツキ音が出る場合があります(気づない場合もある程度です)。1930年代のロッドの塗装の特徴である表面の微小な縮み皺や細かな剥落が見られます(特にテップから30p近辺の約長さ3センチ程)。ロッド全体に防水の上塗り加工を施してありますので使用上問題はありませんし、ほとんど目立たないと思われます。
日本の方に人気の高いデリーケートながらトルクの高いパワーで押し出すようにフライを遠投してくれます。
ロッド重量約600ラム、グリップの全長約61センチ・最大外径25mm。グリップ上端部のロッド対面外径約13ミリ、トップ・ガイド下の対面外径約2.5ミリ。 3ピース、2テイップ(1本はショートしています)。ハーデイ・オリジナル布ケース付。上記の瑕疵の為にかなりお買い得な価格になっています。当店お問い合わせ番号 SA588。グレードは¥53,550(税別¥51,000)
ロッドの状態は一般的な使用頻度ですが塗装やブランクの状態は大変良好です。インター・ミデイエット・ラップを除いた全てのガイドとフェルールのラッピング部には、防水上塗り加工を施してあります。更にロッド・ブランク全体に防水上塗り加工を施してあります。