1935年ポープ・ドライ・フライ・ロッド10‘#5〜7メール

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多岐にわたるハーデイ・ロッド・シリーズの中にはパーフェクションから派生した幾つかのモデルがありますがこのポープもその一つです。アクションがかなり重厚なモデルで、現在では本流や湖での釣りに適したシングル・ハンド・ロッドと言われています。長さが生み出す強力なトルクで、フライをスムースに遠投し静かに着水させることが出来るアクションです。古い時代の言い方でドライ・フライと表記されていますが、ウエットからドライまで対応する万能タイプのロッドとご理解ください。近年英国のオークションに於いて、何故かロング・ロッドのハーデイ・ポープの人気が高くなってきています。当店でも近年の愛好者の多くなった本流でのヤマメ釣りに適したシングル・ロッドとして大変ご要望の多いロッドの一つになっています。

ハーデイのパラコナ仕様のバンブー・ロッド。ロッド重量約230グラム。2ピース、1テップ、美しいデザインのシガー・グリップの全長は約24センチ・最大外径は約24mm。グリップ先端部のロッドの対面外径約10ミリ、トップ・ガイド下の対面外径約2。5ミリです。1935年のこのモデルは、ポープとしては全体的に細身でかなりデリケートなアクションに感じます、#5程度も問題なくご使用になれます。

ロッド表面の塗装が大変綺麗で、古い時代のロッド独特の小さな剥離や縮みシワなどが見られません。もしかすると英国に於いて全体の防水上塗りが施されているかもしれません。そしてもし塗装のレストアーを行っているとしたら、作業が大変綺麗な事からハーデイの工場で行われた可能性が高いと推測しています。1930年代のロッドの仕上げは特に凝ったものが多く、このモデルもインターミデイエット・ラップの間隔が約16ミリと大変狭くロッドの豪華さと美しさを醸し出しています(下記のハーデイ・アングラーズ・ガイド1937年版のタイングの項にも記載されています)。

80年以上前のロッドとしては、その状態がかなり良好と言えます。2ピース、1テイップ。オリジナル・ケース付き。大変凝った作りのハーデイのケースですが経年のためかなり傷んでいます。 当店お問い合わせ番号 SA585。グレードは¥49,350(税別¥47,000)

ロッドの状態は一般的な使用頻度ですが塗装やブランクの状態は大変良好です。ブランクの塗装はこれからも長くご使用いただける状態です。一部スレッドの巻がほつれていたので併せて重要部分の巻直しを行ってあります。ストリッピング・ガイド、トップ・ガイド、バットとテイップのフェルールを巻き直して再塗装を行いました。更にインターメイデイエットを除いたラッピング部の防水上塗りを施してあります。多分これらのレストアーは外見からは(一度ご使用になれば)識別出来ないと推測いたします。

 
瑕疵としてスピアーを抑えるネジが紛失したようです。スピアーを取り外すことが出来なくなっています。写真のテイップのフェルール部のラッピングは巻直しを行っています。
シート金具に微小なクラックが見られます。これはハーデイの古い時代のアルミ・シートによく見られる現象です。写真ではより目立って見えるように撮影してあります。ハーデイ・シートの独特のネジの形状から、もっと大きくたとえシート下端部まで裂けても一般的には支障なく使用が可能です。念の為にお知らせ申し上げました。
ハーデイのロゴが綺麗に残っています。インターミデイエット・ラップの間隔が狭くデラックスな印象を与えます。1930年代のアンテイーク・ロッドらしく大変手の込んだ作りと言えます。フック・キーパーのラッピング部は防水上塗りを施してあります。

メノウのストリッピング・ガイドも良好な状態ですがフット部が微妙にねじれていました。取り外して僅かにねじれを直しラッピングをやり直してあります。詳細に見ると僅かにねじれていますが(分からない程度です)使用上支障はありません。

トップ・ガイドはハーデイのクリヤー・メノウです。僅かにほつれていたので蒔き直しを行いました。バットとテイップのフェルールの併せて共に蒔き直しを行っています。多分痕跡は分からないと思います。本流や中流域での釣りを堪能できる大変美しい多目的用途にご使用できるロング・ロッドです。
1937年ハーデイ・アングラース・ガイド

特注モデルとしてステイール・センター入りもありましたが、このロッドがそうであるかは不明です。一般的にはロック・ファースト・フェルールが付けられていたのですがこのロッドには通常のフェルールが付けられています。ベテラン・フライ・フィッシャマンでキャステイング中テイップが抜けるような投げ方はしないから、デリケートで使いやすい方が良いと選択したのではないかと推測しています。多くの場合、一般的にはリング・キーパーはガイドの向きに付いているのですがこのロッドはわざわざ左側に取りつけてある事から、ハーデイーにこのような細部まで指示したかなり慣れたベテランであったと推測されます。

 


05/03/2015
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