ドライ・フライ・フィッシィングの起源とされるF.M.ハルフォード氏の名が付いたモデルで、多くのハーデイ・ロッドの中でもドライ・フライ・ロッドの傑作と言われる逸品です。ハルフォードは”ザ・ドライ・フライマンズ・ハンド・ブック””モダン・デヴェロップメント・オブ・ザ・ドライ・フライ”等の筆者として著名ですが、このモデルは彼の要望に応えて作られたアクションです。このロッドの中には、ハルフォード・プライスレス“価格の付けようもない程の貴重品”と呼ばれるロッドも存在します。作られたロッドのサイズはこのパラコナ仕様の9’6”の1モデルのみです。1910年から1971年まで製造された息の長いモデル、アクションの完成度の高さの証でもあります。現在の使用法としては本流や湖でのロング・キャストに適しています。キャステイング時の素晴らしいパワーを感じるアクションです。ロッド自重約230グラム。
80年前のロッドとしては瑕疵とまでは言えませんが幾つかの点をご考慮ください。まず、全長は115“あり9‘6”(112“)より3”程長くなっています。仕様がアングラーズ・ガイドと合致しないことは当時のロッドにはしばしば見られる事です。トップのメノウ・ガイドは交換されており、ハーデイのオリジナルではありません。念の為にご考慮頂くのは、最悪の場合トップ・ガイから1〜2センチ程がショートしているかもしれません。ただし、バットとテイップとのの長さの差から考慮すると正常な長さであると推測しています。
グリップの下部に欠
落があったようで、その部分を人造コルクで埋め込んで修正してあります。作業はプロが行ったと思われます。使用上支障はありません。
オス・フェルールに経年による僅かな摩耗がみられます。ハーデイ・スタッド・ロック・ジョイントが取り付けられているので使用時に抜けることはありません。現状では僅かにワックスが塗られているのでガタツキ音はほとんどでません。これは古いロッドにはしばしば見られることで、このままの状態でも今後の使用に支障はありません。ラバー・エンドは現状では外すことができません(無理をすれば外れるかもしれませんが不明です)。
ブロード・バンドと呼ばれる、巻き幅の広いインター・ミデイエット・ラップがロッド全体に引き締めた外観を与えています。ラッピング部の2か所の微小なスレッドのほつれを直しと全体の防水上塗りを施しております。このレストアーにより長い期間このままの状態でご使用になれると思います。素材としてのロッドの状態は大きな傷などが見られずかなり良好な状態です。布ケースはオリジナルではありません、当店で取りつけたものです。補修作業が行なわれたこの状態のハルフォード・ノックアバウトとしてかなりお買い得な価格になっているのは、オリジナル・ケースの無い事や使用上支障のない小さな瑕疵によります。2ピース、1テイップ。当店お問い合わせ番号 SA498。
¥49,350(税別¥47,000)