1960年代オルコック・コンクエスト3−3/8”#7〜8ライン用 メール

1800年代初頭にフック・メーカーとして当時の世界的釣具生産地の英国・レデッチに創業したオルコックはハーデイ、ファーロー、フォスター、オッデン・スミス等と同じく多くのロッドやリールのメーカーとして知られた英国を代表する釣具総合メーカーの一つでした。オルコックはフライ・リール・メーカーとしてより優れたセンター・ピン・リールのメーカーとしてその名を知られていました。

1963年JWヤングと一緒になり、1965年にはアメリカのシェークスピアーに買われて、残念ながら伝統あるオルコックの名前はなくなってしまいました。このワイド・スプール・リールはこのような推移からJWヤングで作られてOEMモデルとして合併の前後に製造された可能性も考えられますが少し雰囲気がヤングのリールとは異なる感じがしますので他のメーカーや自社で作った事も推測されます。

この3−3/8”のコンクエスト・リールはロッドに取り付けた外観がスッキリ見える中型の外径ですがワイド・スプールのデザインなので#7~#8程度に適した本流、湖用のリールになります。

アンテイーク・リールの風格がにじみ出ているスプールに穴が見られない重厚な作りで全体に凹みや曲がりなどの大きな瑕疵は見られません。リールとしては良好な状態です。リール本体の外径約85.5mm、スプールの外径は約75mm、内幅約22mm、ラインは#7〜8程度に適したサイズです。使用可能な3MのWE7F/Sと推定されるラインが巻かれています。

ハーデイ・パーフェクトに似たソリッドの仕様でアンテイーク愛好家には人気の高いデザインの一つです。極めてユニークなブラスで居のスプール着脱のノブが更にアンテイークの雰囲気を醸し出しています。

このリールのドラッグは古い時代の英国リールらしくシンプルなクリック・タイプで強弱の調整は出来ません。このリールは当店で右巻きに直してありますが、クリックを裏返す事で左巻きにも変更が出来ます。当店お問い合わせ番号SB571。グレード   ¥35,200(税別¥32,000)

シンプルな機能を外観も良好な状態なので古いオイルの汚れを落とし、回転部に新しい油を挿入したオリジナルの状態です。

この画像からスプールの幅が約22mmのワイド・スプール・タイプであることがお分かりいただけると思います。人気の高い小型ワイド・スプール・タイプ、ユニークなブラス製スプール着脱ラチェットと重厚なソリッド・タイプの造りはアンテイークの雰囲気を好まれる方にお勧めのリールです。

フットもブラス製です。サイズは約69mmx13.5mm、使用上支障はありませんが右巻きで取り付けた場合ロッド・エンド方向に僅かな曲がりが見られます。

 

ドラッグは1個の爪だけですのでラインのバック・ラッシュを防止する程度の力となります。

内部からも如何にも重厚な作りが感じられます。ハンドルの左右の交換はこの爪を裏返す事で行えますが、それ程の巻方向に対するドラッグの差は感じられません。

 

スッキリした意匠の裏面にも大きな傷や凹みは見られません。

当店の一つの推測ですが、リールの年代は1960年代よりかなり古いモデルの可能性も考えられるとも思っています。かなり色が薄れた黒い色のリールは所謂古い時代のブラックレッド・フィニッシュと言われる仕上げにも見えることからの推測です。推測が違っている場合もあることをご考慮ください。

 

 

 


12/25/2022
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