1960年代ミルワード・フライマスター・3-1/2”#5ライン用メール

縫針のメーカーとして18世紀レデイッチで創業した古い歴史を誇るミルワードは20世紀半ばには姿を消してしまいました。ミルワードは1800年代後半から釣具の製造を始めた古い歴史を持つフライ用品の総合メーカーでした。この英国のアンテイーク・リールらしい雰囲気が感じられる渓流用・リール”フライマスター”はJWヤングがミルワード用にOEで製作したモデルです。擦れや摩耗などに強い耐久性を持つボブル・フィニッシュで仕上げられています。ミルワードの資料やヤング&サンのライン・アップ等から1960年代初めのモデルと推測されます。

ヤング&サンの始まりは19世紀初頭、あのレデッチの地に誕生しました。幾つかの会社との離合集散を重ねながら、ヤング・リールは手を抜かない頑丈な作りのイギリスらしさに溢れたリールを作り続けてきました。残念なことに数年前に良心的なこのメーカーは生産を停止してしまいました。

イン・スプール・リール各部のサイズはスプール外径約74mm、スプールの幅約15ミリ、リール・本体の外径約88mm。リールの重量は約180グラム。ヤマメやイワナの渓流用に最適なサイズで#4〜5ラインに適しています(ラインによってはWF6も蒔けます)。リール・フットの長さ約59mm、幅13.2mm、一般的な現在のロッドの取り付けには支障が出ないサイズです。

右巻きに設定してありますが左右交換が可能です。ドラッグ調整機構が付いていますが、現在のリール程強力ではありません。使用可能な3M製・DTシンキング・ライン(DT#5と推定)が付いています(サイズ等ラインの詳細は不明です、尚ラインはリールの価格には影響されません)。

状態はかなり良好です。当店お問い合わせ番号SB491。 グレードは説明: http://www.sasanofly.com/antiqueimg/logo_antique/stars/45stars.gif説明: http://www.sasanofly.com/img/zeikomi.gif13,200(税別¥12,000)

レストアーの必要性は認められません、かなり良好な状態です。油を拭き取りグリスを塗っただけです。

内部のギヤや爪等に目立った摩耗が見られません。これからも長くご使用になれるリールです。

若干の擦れた跡が見られます本体に歪みや凹みは見られません。スムースにスプールが回ります。本体裏側にドラッグ調整ノブが付いています。

ミルワード・1957年〜1958年カタログ

経年により微小な擦れた跡がありますが大きな凹み等は見られない綺麗な状態です。

リール・フットは長さ75.8mm、幅15.2mmと現在のリールに比べると大型です。グラファイト・ロッドで使用する場合にはフット収納部のサイズにご注意ください。アンテイークのバンブー・ロッドにはほとんど問題なく固定できます。

1950年代・ミルワードのロンドン・ショップ

時折メーカーの由来等が楽しいとのお話を伺う事から当時ロンドンにあったミルワードの店をカタログからご紹介いたしました。多くの釣り具メーカーが集積していたレデッチに工場があったミルワードはなくなってしまいました。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、この地はトラファルガー広場とバッキンガム宮殿に挟まれて一等地です。チャリングクロス駅で降りてナショナル・ギャラリーを見ながらバッキガム宮殿までの散歩道の途次にこの店はあったのです。ピカデリーとポールモールの間の路地にその店はありました。

グーグル・マップの画像に写る”Bury Street SW1”の1階がまさにミルワードの店があった場所だと思われます。現在もこのミルワードのあった場所に近いポールモールにはファーローの店があります。


10/02/2021
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